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プロパンガス料金

LPガスの法改正で何が変わった?三部料金制と設備費上乗せ禁止を状況別に解説

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2025年4月2日以降、LPガスの料金は既存の契約でも、基本料金・従量料金・設備料金の3つに分けて通知する必要があります。一方、LPガスと関係のない設備(エアコンなど)と、賃貸でオーナー等が負担すべき消費設備(LPガスを使う給湯器など)の費用を、LPガス料金として請求することの禁止は、新規契約だけが対象です。既存契約は対象外ですが、更新期日以降の契約や、入居者が替わって契約相手が変わった時点の契約は「新規」扱いです。

2026年9月時点で確認できた制度を、持ち家・賃貸と既存・新規契約の別に整理します。最初の一歩は、手元の検針票に3つの区分が並んでいるかを見ることです。

法改正の全体像: 内容・施行日・経過措置

液石法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)の施行規則を改める省令(令和6年経済産業省令第32号)が、2024年4月2日に公布されました。改正は3本柱で、新しい規律は施行規則第16条にあり、販売事業者は法第16条第2項によりこの基準に従う義務があります。

内容施行日義務・経過措置
過大な営業行為の制限契約獲得を目的とした利益供与の禁止(第15号の3・4)、事業者の変更を制限する条件付き契約の禁止(第15号の5・6)2024年7月2日義務。経過措置なし
LPガス料金等の情報提供賃貸の入居希望者への料金表等の提示(第15号の2)2024年7月2日事前提示は努力義務、直接の問い合わせへの応答は義務
三部料金制の徹底①基本料金・従量料金・設備料金に整理して通知(第15号の7)。②LPガスと関係のない設備費用(第15号の8)、賃貸のオーナー等が負担すべき消費設備費用(第15号の9)の請求禁止2025年4月2日①義務。既存契約にも適用。②義務。新規契約のみ。既存契約は早期移行の努力義務

基準に従わない事業者は、報告徴収・立入検査や勧告・公表の対象になり、基準適合命令に違反すると登録取消しや事業停止の対象です(法第16条第3項・第26条第4号)。

三部料金制とは: 基本料金・従量料金・設備料金の3区分

三部料金制は、料金を次の3つに整理して通知する仕組みです。

  • 基本料金: LPガスの使用量にかかわらず生じる費用
  • 従量料金: 使用量に応じて生じる費用
  • 設備料金: 消費設備の貸与等に係る費用

該当がない区分も、「該当なし」または「0円」と記載する必要があります。この通知は、新規契約だけでなく既存契約の料金にも必要です(資源エネルギー庁Q&A、2025年3月)。

つまり、あなたの状況では、契約日や持ち家・賃貸にかかわらず、2025年4月2日以降の請求書は3区分で示されるのが基準です。区分が無い請求書や、基本料金などに設備費が含まれていないか気になる請求書は、通知の形式と算定根拠を事業者に確認できます。

設備費の計上禁止: 何が禁止され、何が禁止されないか

設備費が料金に上乗せされてきた背景は、プロパンガスはなぜ高い?5つの理由と料金を安くする方法で扱っています。省令は、2025年4月2日から次の2点を「請求しないこと」と定めています。

  • LPガスの消費と関係のない設備(電気エアコンやWi-Fi機器等)の費用を、LPガス料金に含めて請求すること(第15号の8)
  • 賃貸住宅で、建物の所有者(オーナー等)が本来負担すべき消費設備の費用を、入居者に請求すること(第15号の9。費用負担の合意がある場合は除く)

この2点が適用されるのは新規契約だけです。ただし「新規」は、2025年4月2日以降に新たに締結した契約に限りません。資源エネルギー庁の2024年7月の資料は、契約の更新期日以降の契約と、別の者が入居して契約相手が変わった時点の契約も、「新規」扱いで計上禁止の対象としています。

既存契約(2025年4月2日時点で締結済み)には、計上禁止は適用されません(附則第2条)。附則第3条は、新制度に対応した料金へ速やかに移行する努力義務です。

つまり、あなたの状況では、「新規」扱いに当たらない既存契約なら、請求書に設備料金の金額が載っていても、それだけで計上禁止に反するとは言えません。

過大な営業行為の制限と、賃貸の入居前に受けられる情報提供

販売事業者は、契約獲得のために、オーナー等や戸建て住宅の消費者へ「正常な商慣習を超えた利益」を供与することを禁じられました。想定されているのは、設備貸与や紹介料などによる過大な利益供与です(資源エネルギー庁、2024年7月)。ただし、無償貸与や紹介料が一律に違法と書かれているわけではありません。経過措置の規定はなく、施行前の行為は対象外です。

入居前の情報提供(第15号の2)は、料金表等の提示が努力義務、直接の問い合わせへの応答が義務です(根拠は運用・解釈通達)。

つまり、過大な営業行為の制限は請求書では確認しにくく、入居者の手がかりは、入居前の料金の問い合わせと、疑いがある場合の通報窓口です。

あなたの状況ではどうなるか: 持ち家・賃貸 × 既存契約・新規契約

あなたの契約設備費の計上禁止
持ち家・既存適用外(更新期日以降は「新規」扱い)
持ち家・新規LPガスと関係のない設備費は不可(第15号の8)
賃貸・既存適用外(更新期日以降、入居者交代後は「新規」扱い)
賃貸・新規上記に加え、オーナー等が負担すべき消費設備費も不可。合意がある場合を除く(第15号の9)
  • 持ち家・既存: 新制度の料金への移行は事業者の努力義務のため、相談の形で切り出します。
  • 持ち家・新規: 設備料金に、エアコンなどLPガスと関係のない設備の費用が入っていないか、事業者に尋ねます。
  • 賃貸・既存: 更新期日と入居者交代の有無を確かめ、該当すれば「賃貸・新規」として扱います。
  • 賃貸・新規: 設備料金に金額があれば、14条書面(契約時に交付される書面)で費用負担の記載を確認します。消費者庁・経産省・国交省のポスターは、「事前の合意がない場合、原則、費用負担はありません」と示しています(2025年4月2日以降に締結する契約)。

検針票と14条書面で確認する3ステップ

ステップ1: 検針票(請求書)で3区分を見る

基本料金・従量料金・設備料金の3つの欄があるかを確認します。Q&Aは、14条書面の記載例を次のように示しています(金額は伏せ字)。

  • 基本料金:〇〇円
  • 従量料金:1㎥当たり〇〇円
  • 設備料金:〇〇円

設備料金に金額があれば、前節の表で、自分の契約が「新規」扱いかを照らし合わせます。

⚠️ 落とし穴 契約日が2025年4月2日より前だからと「自分は対象外」と考えると、2点を見落とします。1点目は、3区分での通知が既存契約にも必要なことです。区分の無い請求書を、そのままにする理由にはなりません。2点目は、更新期日を過ぎた契約や、入居者が替わって契約相手が変わった契約が「新規」扱いとなり、計上禁止の対象になることです。設備料金に金額がある場合は、契約の締結日だけでなく、更新期日と入居日も手元の書類で確認し、分からなければ販売事業者に尋ねてください。

ステップ2: 14条書面で設備の扱いを見る

14条書面は、販売契約の締結時に、事業者が遅滞なく交付する書面です(液石法第14条第1項)。施行規則第13条は、料金の算定方法と算定の基礎となる項目、設備の所有関係、設備費用の負担方法などを定めています。見る箇所は、設備の所有者、費用の負担者、その費用がLPガス料金に含まれるかです。

記載事項の変更時は、変更部分も交付されます。ただし、三部料金制で「算定の基礎となる項目」に変更がなければ、Q&Aは再交付までは求めていません。新しい書面が届かないだけでは、事業者の違反とは言えません。

⚠️ 落とし穴 賃貸の設備料金に金額が載っていると、「新規契約なのに不当だ」と決めつけたくなります。しかし第15号の9には、費用負担の合意がある場合は除く但書があり、運用・解釈通達は、14条書面に明記したうえで、主にガス漏れ警報器の貸与料金を請求する場合などを想定しています。また、請求を禁じられているのは販売事業者で、大家さんに家賃への計上を義務づける規定ではありません。合意の記載があっても、妥当性の基準は確認した資料に無いため、納得できなければ相談窓口へ進みます。内訳と算定根拠は販売事業者に、設備の所有者や設置の経緯は大家さんや管理会社に尋ねます。

ステップ3: 不明な点は、事業者に内訳の説明を求める

請求書が3区分でない、設備料金の中身が分からない、14条書面と請求が合わない。こうした場合は、次のように事業者へ内訳と算定根拠の説明を求めます。

〇月分の請求について、基本料金・従量料金・設備料金の内訳と、設備料金の算定根拠を教えてください。契約の更新期日も教えてください。

解消しない場合は、次の窓口を使います。

相談・通報の窓口

  • 消費者ホットライン「188」: 契約トラブルの相談窓口で、最寄りの消費生活センター等につながります。検針票、14条書面、契約日や更新期日が分かる書類を手元に置いて相談します。
  • 資源エネルギー庁「LPガス商慣行通報フォーム」: 不正行為の通報を受け付けており、匿名でも情報提供できます。通報は、液石法違反の取締りの端緒等に使われます。
  • 都道府県LPガス協会の消費者相談窓口: 日本LPガス協会のサイトに一覧のPDFがありますが、古い可能性があるため、電話番号は各協会のサイトで確認してください。

よくある質問

Q. 2025年4月2日より前に契約した既存契約は、法改正の対象外ですか?

A. 一部だけ対象外です。3区分での料金通知は既存契約にも必要です。附則第2条により対象外となるのは設備費用の計上禁止です。ただし、更新期日以降の契約と、入居者が替わった時点の契約は「新規」扱いです。

Q. 内訳が分かれていない請求書は、違法ですか?

A. 「違法」とは断定できません。3区分での通知と算定根拠の通知は、販売事業者が従う義務のある基準(施行規則第16条第15号の7)で、従っていなければ勧告・公表などの措置の対象です。個別の請求書が基準に合うかは、契約と請求内容の確認が必要です。内訳を尋ねることは特別な要求ではないため、まず事業者に通知を求め、解消しなければ前述の窓口へ相談します。

Q. 賃貸の入居者にできることはありますか?

A. 入居前は、料金表等の提示を事業者に直接問い合わせられ、事業者は応じる義務があります。入居後は、請求書の3区分と設備料金の中身を確認できます。

まとめ

  1. 3区分での通知(2025年4月2日から)は、既存契約にも必要
  2. 設備費用の計上禁止は新規契約のみ(更新期日以降・入居者交代後の契約を含む)
  3. 過大な営業行為の制限と入居前の情報提供は、2024年7月2日に施行済み

最初の一歩は、検針票と14条書面、契約の更新期日(賃貸なら入居日)を手元に置き、3区分と設備料金を確認することです。制度は今後見直される可能性があるため、最新の内容は資源エネルギー庁の公表資料で確認してください。

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参考文献:

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